湿気が高まる時期には、よく目にするゴキブリの問題が浮上します。見かけたら実際には数十倍の個体がいる可能性があるとも言われており、速やかな行動が求められます。その見た目が苦手、または退治することに恐怖を感じる人も少なくないでしょう。本ガイドでは、そんな人でも取り組みやすい、具体的な撃退法や家への侵入防止策をご紹介します。
ゴキブリ対策①目の前のゴキブリを退治する方法
以下では、ゴキブリを駆除するためのキーポイントを掘り下げていきます。ゴキブリを退治する際には、絶対に押し潰さないようにしてください。そうすることで、ゴキブリが携帯する細菌をばらまくリスクがあります。まず、目の前にいるゴキブリを効果的に退治する方法を紹介します。
一般的には殺虫剤を使用して退治する
適切なゴキブリ用の殺虫剤を使用して退治しましょう。出会った際に迅速に対応できるよう、手の届く場所や、以前ゴキブリを目撃したエリアの周辺に保管することが重要です。スプレーを使用する際には、ゴキブリの背中ではなく、進行方向の少し前を狙います。これにより、速いゴキブリを予測して効果的に駆除することができます。
殺虫剤がない場合は洗剤を使用して退治する
殺虫剤が手元にない場合、洗剤を直接ゴキブリにかけて退治する方法も有効です。洗剤に含まれる界面活性剤がゴキブリの腹部の気門を塞ぎ、窒息させます。洗剤の他にも、シャンプーやリンスなど界面活性剤を含む製品が同様の効果を発揮します。ただし、界面活性剤によってゴキブリの内部にある人体に害を及ぼす菌が外部に流出する可能性がありますので、退治後は速やかに死骸を処理しましょう(具体的な処理方法については後ほど説明します)。 見失った場合は、隙間に殺虫剤を噴射する ゴキブリを見失ったら、失った場所の近くの隙間に殺虫剤を噴射します。家具の隙間やエアコンの裏、靴箱や靴の中など、隠れている可能性のある場所に殺虫剤を使用すれば、苦しんで出てくることが多いです。
殺虫剤を使用する際には、食品や食器にかからないように注意し、電化製品の近くでは使用しないでください、火災のリスクがあります。殺虫剤がない場合は、近くの物を動かしてみることも有効です。ゴキブリは空気の流れに敏感ですので、これにより出てくることがあります。ゴキブリが苦手な方は、ベイト剤を使用することをお勧めします(ベイト剤については次の章で詳しく説明します)。
退治後の卵や死骸はすぐに処分する
ゴキブリを退治した後は、速やかに可燃ゴミとして処理します。卵や死骸を発見した場合も同様に対応します。ゴキブリは同種の死骸を食べる習性があり、放置することで他のゴキブリを引き寄せ、細菌が散布される可能性があります。また、卵は硬い殻で保護されており、殺虫剤が効かないため、孵化を防ぐためにも必ず処理してください。処理時には、直接手で触れないように注意し、トングやテープを使用して対応しましょう。死骸はトイレットペーパーで包んでビニール袋に入れ、しっかりと封をしてから廃棄します。掃除機を使用することも効果的ですが、卵が孵化するリスクがあるため、使用後はすぐに中身を処理してください。
害虫駆除②自宅内のゴキブリ撃退法
続いては、ご自宅に潜むゴキブリを取り除く方法について説明します。主に使用される駆除方法には、粘着トラップ、毒餌、煙霧剤があります。毒餌や煙霧剤は、まとめて使用することで高い効果が期待できます。 化学薬品を避けたい場合は粘着トラップを選択 ペットや幼い子供がいる家庭で安心して使用できるのは、化学薬品を使用しない粘着トラップです。この方法では、誘引剤でゴキブリをおびき寄せ、粘着シートで捕まえます。家具の隙間やアクセスが難しい場所に設置可能で、ペットや子供が触れたり誤って飲み込んだりする心配もありません。トラップには、肉や野菜の残り物を少量置くことを推奨します。 目にすることなく駆除したい場合は毒餌を使用 置くだけでゴキブリを駆除できる毒餌は、死骸を目にすることなく効果的です。ゴキブリが巣に毒を持ち帰り、そこで死ぬことで、巣全体を駆除できる利点があります。 毒餌の成分には主に3つのタイプがあり、効果が現れるまでの時間に差があります。
成分名 効果が現れるまでの時間
フィプロニル 約1日
ヒドラメチルノン 約3日
ホウ酸 数日から数週間
ゴキブリは雑食性であり、髪の毛やほこりなど様々なものを食べるため、毒餌は以下のような場所に設置すると効果的です。子供やペットがいる家庭では、誤飲を防ぐために設置場所に注意してください。
<効果的な設置場所>
窓周辺、部屋の隅や家具の後ろ、エアコンの外側や植木の近く、キッチンのシンク下の排水管周辺などです。ゴキブリの侵入ルートについては、「害虫駆除③自宅への侵入防止」で詳しく説明します。
マンションのような暖かい場所では、家具や家電製品の裏などに潜んで越冬するため、特に注意して設置する必要があります。また、効果の範囲は製品によって異なるため、必要な数はパッケージで確認してください。
一斉に駆除する場合は煙霧剤を使用 煙霧剤は、煙によって室内に殺虫成分を拡散させ、隠れているゴキブリを一斉に駆除します。家の全ての部屋で同時に実施することが最も効果的です。一部の部屋だけでは、ゴキブリが他の部屋へ逃げてしまう可能性があります。 完全な駆除を目指す場合は、初回使用から2~3週間後に再度煙霧剤を使用することがポイントです。というのも、ゴキブリの卵には煙霧剤が効かないため、時間を置いてからの使用で、孵化した幼虫を駆除できます。
煙霧剤使用時の注意点
・使用時は屋外に退避する ・窓や換気口を閉じ、部屋の扉は開けておく ・棚の扉も開ける ・精密機器や楽器はカバーで保護する ・ペットや観葉植物を外に出す ・衣類は密封容器に入れるか、使用前に洗濯する ・布団は外に干す ・使用後は換気を行い、掃除機で清掃する。
ゴキブリの侵入と繁殖を阻止するための対策を最後に紹介します。自宅でのゴキブリ問題を解決した後は、再発防止に努めましょう。ここでは、ゴキブリが家に入り込むルートを塞ぎ、餌や隠れ家を排除して住みにくい環境を作る方法を解説します。
侵入経路の封鎖
ゴキブリが侵入する主なルートとその対策は以下の通りです。
侵入経路 対策
入口 隙間があれば隙間テープで封鎖 ゴキブリが嫌がるハッカ油やハーブの香りを使用、忌避剤の使用 窓・バルコニー・網戸 窓枠全体に隙間テープを貼り、密閉 網戸にはアロマオイルを塗布 観葉植物やプランターのある場所は定期的に清掃 排水路・排水口 排水口周辺の隙間を塞ぐ 排水トラップを設置、可能なら排水路をS字形に 定期的に排水口の掃除をして臭いを防ぐ 換気扇・通気口 防虫フィルターの設置 エアコン 配管周りの隙間をパテで埋める ドレンホースの先を塞ぐ 餌と隠れ場所の排除 ゴキブリが住み着かないように、餌となるものや隠れ場所を徹底的に排除します。
- 定期的に掃除を行う 食べこぼしやホコリなど、ゴキブリの餌となり得るものを除去します。キッチンは特に注意が必要です。
- ゴミ箱や野菜の保管箱は蓋付きを使用 ゴミ箱や野菜箱には蓋をし、ゴキブリの侵入を防ぎます。ハッカ油スプレーをゴミ箱に定期的に使用するのも有効です。
- 料理をキッチンに放置しない 常温での放置は食品の劣化を早めるだけでなく、ゴキブリを引き寄せる原因にもなります。
- シンクや洗面台は常に乾燥させる 水分はゴキブリの飲み水となるため、使用後は拭き取ることが重要です。
- ダンボールや新聞紙は定期的に片付ける ゴキブリの隠れ家になりやすいため、不要なものは速やかに処分しましょう。キッチンでのダンボールの再利用は避けてください。
まとめ
対策を徹底してゴキブリが出現しない環境を目指しましょう。清潔を保ち、食べ残しやゴミを放置しないことが重要です。清潔な環境は他の害虫の侵入も防ぎます。ゴキブリはわずかな隙間からも侵入し、一度侵入するとその繁殖力の高さから迅速な対策が必要になります。家中のローチを駆除し、侵入を防ぐことで、安心できる生活空間を取り戻しましょう。常に「1匹見たら100匹いる」ということを頭に入れておきましょう。