ニンニクの芽、またの名を茎ニンニクとも呼ばれるこの食材は、5月中旬から6月初旬にかけて旬を迎え、ビタミンCやカルシウムなどの栄養素を豊富に含んでいます。スーパーマーケットでは年中輸入品が並び、冷凍品も一般的です。
ニンニクの芽を使った料理は多くのバリエーションがあり、食欲を刺激しますが、この食材の特徴的な強い匂いの原因は何でしょうか?ここでは、ニンニクの芽がもたらす匂いと、その保存方法について探ります。
ニンニクの芽の匂いはどんな感じ?
ニンニクの芽の匂いはアリシンという成分によるものです。この成分は空気に触れると発生し、特有の匂いを放ちます。生の状態では無臭のアリインが含まれており、調理中に細かく切ったりすることでアリシンに変化し、その結果強い匂いが生じます。これは口臭としても現れ、通常は約3時間持続します。
過剰な摂取は体臭の原因にもなりうるため、摂取前の対策が推奨されます。例えば、低脂肪の牛乳はタンパク質が豊富でアリシンと結合しやすく、匂いを抑制する効果があります。また、緑茶のカテキンも匂いを減少させるのに役立ちます。
一方で、ニンニクの芽の過剰な摂取は腸内ガスの臭いを強化することがあります。ニンニクの強い殺菌作用により、善玉菌が抑制され悪玉菌が活発になると、腸内で食べ物が腐敗しやすくなり、臭いガスが発生します。このアリシンは体内で代謝され、尿や汗とともに排出されることがあります。食べ過ぎは消化器系にも悪影響を及ぼす可能性があるため、適量を心がけることが大切です。
お弁当でニンニクの芽を使用する際の匂い対策
ニンニクの芽は、お弁当にカラフルな彩りを加え、様々な料理にもマッチしますが、弁当箱を開けるとニンニク特有の強い匂いが気になることがあります。この匂いを最小限に抑える方法として、ニンニクの芽を事前に湯通しする方法が効果的です。湯通し後、照り焼きやフライにすると、さらに匂いが軽減されます。豚肉で巻いてフライにすると、美味しくて匂いも少ないためおすすめです。
冷蔵庫や冷凍庫でのニンニクの芽の保存方法
ニンニクの芽は湿度が高く、常温での保存には向きません。短期間であれば、野菜室などの適度な温度の場所に生の状態で保存することが可能です。ニンニクの芽は切らずに長いまま保管することで、匂いの発生と酸化を防げます。一度湯通しをした後、密封容器に入れれば、冷蔵庫内でも匂いを気にせずに保存できます。生のままでは3~5日、湯通し後は1~2日が消費の目安です。
長期保存の場合の冷凍方法
長期保存が必要な場合は、冷凍が最適です。湯通ししたニンニクの芽を氷水で冷やし、色を保ちながら素早く冷凍します。完全に冷えたら、水気を拭き取り、適切なサイズに切って保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍庫へ。これにより、2か月間は保存可能で、使用時には匂いが少なく、必要な分だけサッと使えて便利です。
まとめ
ニンニクの芽は通常のニンニクと比べると匂いは控えめですが、それでも食べると多少は匂いが出ます。そのため、食前に牛乳や緑茶を飲むことで匂いを軽減できます。また、食後にはリンゴやチョコレートなどポリフェノールを含む食品を摂ることで、匂いを抑える効果が期待できます。
お弁当や冷蔵庫においても、これらの対策を取り入れると効果的です。
ニンニクの芽はカルシウムやビタミンCが豊富で、油との相性が良く、炒め物や揚げ物にすると特に美味しく、食感も楽しめます。この食材は元気を与えるイメージがあり、体が疲れているときには特におすすめの食材です。
いかがでしたでしょうか?ニンニクの芽って美味しい食材です。
レシピを3つご紹介いたします。簡単で美味しく出来ますから是非、チャレンジしてみて下さい。
ニンニクの芽を美味しくいただくための簡単なレシピをご紹介します。ニンニクの芽のピリ辛炒めです。シンプルながらも、ニンニクの芽の香りと食感を楽しむことができる一品です。
ニンニクの芽のピリ辛炒め
材料(2人分)
- ニンニクの芽 200g
- 豚バラ肉 100g(お好みで)
- ごま油 大さじ1
- 醤油 大さじ1
- 豆板醤 小さじ1
- 砂糖 小さじ1
- 酒 大さじ1
- 塩 少々
- こしょう 少々
作り方
- ニンニクの芽の下ごしらえ: ニンニクの芽は根元の硬い部分を切り落とし、食べやすい長さに切ります。水洗いした後、水気をしっかりと切ります。
- 豚バラ肉の準備: 豚バラ肉は食べやすい大きさに切ります。
- 炒める: フライパンにごま油を熱し、豚バラ肉を入れて中火で炒めます。肉の色が変わってきたら、ニンニクの芽を加えてさらに炒めます。
- 調味料を加える: 豆板醤、醤油、砂糖、酒を加えてよく絡めながら炒めます。塩とこしょうで味を調整します。
- 仕上げ: ニンニクの芽がしんなりとしたら、火から下ろして完成です。
このレシピでは、ピリ辛の豆板醤がポイントで、ニンニクの芽の風味を引き立てます。豚バラ肉を加えることで、食べ応えも出ますし、シンプルながらもガツンとくる美味しさをお楽しみください!
ニンニクの芽のベーコン巻き
材料(2人分)
- ニンニクの芽 20本
- ベーコン 10枚(薄切り)
- オリーブオイル 大さじ1
- バルサミコ酢 小さじ2
- 塩 適量
- 黒こしょう 少々
作り方
- ニンニクの芽の下処理: ニンニクの芽は根元の硬い部分を取り除き、良く洗います。水気を取るためにキッチンペーパーで軽く拭き取ります。
- ベーコンの準備: ベーコンは半分の長さに切ります。
- 巻く: ニンニクの芽をベーコンで巻いていきます。ベーコンの端を少し重ねると巻き終わりが解けにくくなります。
- 焼く: フライパンにオリーブオイルを熱し、ベーコン巻きを並べます。全面がきつね色になるまで中火でじっくりと焼きます。
- 味付け: バルサミコ酢を全体に振りかけ、軽く塩と黒こしょうで味を整えます。
- 盛り付け: 焼き上がったベーコン巻きを皿に盛り付け、お好みでフレッシュなハーブを添えて完成です。
このレシピでは、ベーコンの塩気とニンニクの芽の香りが絶妙にマッチし、バルサミコ酢がアクセントとなっています。